湘南二都物語 第1幕 江ノ電をめぐる情景
第8部 極楽寺〜長谷
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極楽寺駅です。
いよいよ江ノ電は、鎌倉旧市街の一歩手前までやってきました。
この駅は、駅名の由来である極楽寺の門前にあります。
駅舎は、昔の面影をとどめるひなびた風情です。
鎌倉高校前駅に続いて、1999年に、第3回関東の駅百選に選定されました。
極楽寺の山門です。
極楽寺は、鎌倉時代に慈善事業家として活躍した忍性が開いたお寺で、
ひととき境内には、病や怪我に苦しむ民たちが大勢集まってきていたそうです。
民衆のための、病院のような存在だったのでしょう。
当時の名残をとどめる境内には、今、静寂が漂っています。
駅の先には、極楽寺切通のある山を抜ける古い馬蹄形のトンネル、
極楽洞(長谷側の入口は「千歳開洞」)が、口をあけています。
その昔源頼朝は、三方が山、もう一方は海という自然の城郭に守られた鎌倉の地(現在の鎌倉旧市街)に
幕府を設け、都としました。
その地の利は、今でも変わっていません。鎌倉旧市街に入るには、必ず山越えが必要です。
江ノ電は、かつての重要な山越えルートであった極楽寺切通を抜けて、鎌倉の地へと歩みを進めます。
これが、極楽洞の入口です。
トンネルに平行して、極楽寺切通の道が延びています。
この切通しも、忍性が開いたものです。
現在の切通しは、明治以降新しく掘り下げた道で、古道は、もっと上を通っていました。
現在の切通しの途中から海側に、階段で上り下りする道が平行していますが、これが、古い切通の道です。
そして、古道の頂上に、あじさいで有名なお寺、成就院があります。
成就院を過ぎて古道の階段を下りていくと、眼前に長谷の町並みと、由比ヶ浜の海が見えてきます。
ここからの眺めは、とても風情があります。
いにしえの旅人たちも、この風景を目にして、無事に鎌倉へたどり着いたことを感じたのでしょうね、きっと・・・
極楽寺切通を抜けると、いよいよ鎌倉旧市街です。
古都の空気を感じます。
トンネルを出た江ノ電のすぐ左手にあるのは、御霊(権五郎)神社です。
ここで毎年9月18日に行われる面掛行列は、神奈川県指定の無形文化財です。
古い街並みの裏を抜けると、やがて電車は、長谷駅に到着します。
長谷は、鎌倉旧市街の西の集落で、長谷観音や大仏といった、メジャースポットのある街です。
鎌倉中心部に比べると、この付近は、やや落ち着いた雰囲気です。