湘南二都物語 第1幕 江ノ電をめぐる情景

     第6部 (鎌倉高校前)〜(稲村ヶ崎)

(鎌倉高校前)〜(稲村ヶ崎)

◎以下、写真にマウスポインタを当てると、説明文が表示されます♪

 

鎌倉高校前と七里ヶ浜の間には、
江ノ電唯一の信号所・・・峰が原信号所があります。

峰が原信号所で行き違う江ノ電。昔は今の鎌倉高校前のところが交換所でした。 鎌倉行きを待ち、しばし佇む藤沢行き電車。

海を見ながら、藤沢行きと鎌倉行きが行き違います。

昔は、日坂(現、鎌倉高校前)駅が交換駅で、そこで電車は行き違っていました。
平行道路(国道134号)の拡幅により、峰が原に交換場所を移転したのです。
そのためか、ここにはよく藤沢行きのほうが先に着き、
車内の人は交換待ちの間、車窓に広がるきらめく海に、しばし目を奪われます。

七里ヶ浜駅遠望(藤沢寄りから) 七里ヶ浜駅

峰が原信号所を過ぎると、程なく電車は七里ヶ浜駅に着きます。

この付近の江ノ電の線形は、やや内陸寄りに進路を変え、七里ヶ浜駅を頂点とした
三角形をかたち作っていますが、これにはちゃんとした理由があります。

かつてこの付近には、行合川という小河川の三角州が広がっていました。
現在では三角州はなくなって、その跡は陸地化されて道路やお店、住宅などが建ったりしていますが、
線路は今でも、かつての三角州に沿って三角形の二辺を行くような形になっているのです。

七里ヶ浜駅の鎌倉寄りで江ノ電が渡る小さな川が、行合川です。

エリアナ・パブロバ記念館。昭和3年にロシアからの亡命バレリーナが興した、日本初のバレエスクール跡。 七里ヶ浜駅を出て、行合川を渡る鎌倉行き電車

ところで、七里ヶ浜とは、小動岬と稲村ヶ崎の間に広がる海岸の名前です。

現在では瀟洒な住宅が建ち、浜辺にはおしゃれなお店が並ぶなど、明るい浜辺の街並みを形成していますが、
昔の写真を見ると、この付近には、
松の生い茂る砂浜が続く、のどかな風景が広がっていたようです。
あたりには今でも名残の松が多少残っており、当時をしのばせています。

現在浜辺に建つ、県立七里ヶ浜高校の裏手の斜面には、
かつて、柴崎牧場という牧場があって、
江ノ電の車窓からも、牛が放牧されているのどかな光景が見られたものでした。
牧場廃止後も、しばらくは、牧草地だった緑の斜面が残っていましたが、
そこも最近マンションが建ってしまい、その名残はすっかりなくなってしまいました。

県立七里ヶ浜高校の入口(ちなみに、ここは裏門です)

そして・・・その七里ヶ浜高校ですが、
1976年開校の全日制普通科高校で、景色の良さでは鎌倉高校を上回っています。
何しろ、目の前が海なのですから・・・

この学校も、ロケーションの良さから、ドラマの舞台などになる機会も多いです。
朝の江ノ電は、鎌倉高校や七里ヶ浜高校など、沿線にある学校の生徒達で、
藤沢発、鎌倉発、ともに満員になります。
江ノ電の電車の中には、車内がすべて予備校の広告で埋まっているものもありますが、
きっとすごい宣伝効果でしょうね。

そしてもう一つ、七里ヶ浜駅からは、
駅の後ろの高台に広がる住宅地の人々のために、
循環ミニバスが運行しています。
このバスには江ノ電からの乗換客は100円で乗れ、運行間隔も15〜20分と頻発していて、
住民の方々や、付近にある鎌倉プリンスホテルのお客さん方にとって、
便利な足となっています。

七里ヶ浜高校(左建物)と鎌倉プリンスホテル(バンケットホール・・・右建物)の前を行く。 江ノ島を遠望しながら、七里ヶ浜を行く。

鎌倉プリンスホテル

七里ヶ浜高校と鎌倉プリンスホテルの前を駆け抜けた江ノ電は、
ここで海と別れを告げ、稲村ヶ崎の集落へと進んでいきます。

海岸沿いからやや内陸へと入っていく。

稲村ヶ崎をめざし内陸を行く江ノ電。この辺は、姥が谷と言われています。

姥が谷の斜面にある瀟洒な家。階段を降りた先は、線路に面しています。

線路の横を、細い生活道路が平行します。
湘南を紹介する雑誌などに出てくるような瀟洒なお宅が、線路沿いには続いています。

音無橋を横目に走る江ノ電。

大正15年2月に作られたモダンな石橋、音無橋をかすめると、
稲村ヶ崎駅は、もうすぐそこです。

第1部
藤沢〜(柳小路)
第2部
柳小路〜(湘南海岸公園)
第3部
湘南海岸公園〜江ノ島

第4部
(江ノ島)〜腰越
 

第5部
(腰越)〜鎌倉高校前
第6部
(鎌倉高校前)〜(稲村ヶ崎)
第7部
稲村ヶ崎〜(極楽寺)

第8部
極楽寺〜長谷

第9部
(長谷)〜和田塚
第10部
(和田塚)〜鎌倉
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