かっしーの家別館 過去の湘南二都物語プロローグ
ミナト横浜へまっし
ぐら!
−横浜市営地下鉄 戸
塚〜湘南台間開業− (その1)
みなとみらい21地区
戸塚駅ホームにて
1999年8月29
日、横浜市営地下鉄戸塚〜湘南台間、7.4キロが開通しました。
今年3月の相鉄線いず
み中央〜湘南台間の開通に続き、また一つ、
横浜方面へのダイレクトアクセスラインが整備されたわけです。
湘南台地区の交通事情
は、飛躍的に改善されました。
市営地下鉄は、戸塚から先、上大岡、関内・桜木町地区を経由し、横浜に達します。さらに
新幹線と連絡する新横浜、港北ニュータウンを経由して、東急田園都市線のあざみ野まで達する、全長40.4キロ、単一の
地下鉄路線としては日本一の路線です。
横浜までは相鉄線とも競合しますが、湘南台から横浜方面へ行く場合、横浜駅周辺なら相鉄線で行く方が便利だと言えま
す。みなとみらい21地区、関内オフィス街、上大岡地区などへは、地下鉄の方が便利でしょう。
参考までに、湘南台から主な各駅までの所要時間を記します。
立場まで:5分 戸塚まで:11分 上大岡まで:22分 関内
まで:33分 横浜まで:39分
新横浜まで:50分 と
いう感じです。
実は横浜までの場合、戸塚で東海道線乗り換えが待ち時間を入れても20分台と、多分一番早いと思いますが、関内、新横
浜では、戸塚乗り換えと所要時間はほぼ互角になりそうです。
市営地下鉄の開業の意義は、実は湘南台地区の交通の
利便性よりも、戸塚区西部や泉区の交通アクセスの改善にあると思います。
具体的には、戸塚駅西口から泉区の中心部を経由して長後に抜ける、通称「長後街道」という県道横浜伊勢原線の渋滞がも
のすごく、このエリアの公共交通の主役であった神奈中路線バスは、朝夕を中心にほとんど定時運行ができないような状況で
した。
特に中間地点である立場(たてば)から、戸塚駅方面の交通事情が劣悪で、地域住民の皆さんは長年、大きな不便をかこっ
ていました。
今回開業した地下鉄は、戸塚〜立場間はこの悪名高き長後街道に沿って走るため、この区間の交通事情は劇的に改善される
こととなりました。また新しい立場駅上には神奈中バスの大きな車庫がありましたが、今回の地下鉄開業によりこの車庫は泉
区北部の上飯田地区に移転し、それと共に大規模なバス路線再編が行われると共に、立場車庫跡地にも再開発事業が予定され
るなど、地下鉄開業を機に長後街道周辺を中心としたエリアに、大きな変貌が訪れることになります。
追ってご紹介していきますが、このため沿線各駅のフィーバーぶりはすごく、開業区間の横浜市内全駅で開業前夜祭が行
われた他、特に中田、立場では大規模なイベントが企画されるなど、地域の皆さんの喜びようがひしひしと伝わってくる、今
回の開業劇でした。
それでは、開業日当日の模様を戸塚駅から順を追ってご紹介していきましょう。なお一部、開業日前の風景も取り上げた
ので、様変わりのもようなどもお楽しみいただければ、と思います。
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戸塚駅西口付近、通称「大踏切」と呼ばれる踏切の西側のあたりです。
戸塚駅周辺は、東口側は戸塚駅までの地下鉄延長を機に再開発が行われ、バスターミナルなどが整
備されましたが、西口側は依然として、雑然とした昔ながらの街並みが残っています。しかし、西口側
にも再開発の計画はあり(平成16年度完成予定)、これが完成すると現在ある小さなお店はほとん
ど、再開発ビルの中に入ってしまうようです。
またバスターミナルも、現在は大踏切のたもとと、ちょっと離れたところにある戸塚バスセンターの
2ヶ所に分散しているのが、駅のそばにひとまとまりになるみたいです。
地下鉄の戸塚駅ホームは、JR戸塚駅の地下3階にあります。コンコースは地下2階で、地下1階
にあるJRコンコースのすぐ下と、わかりやすい場所にあります。この付近はすぐそばに柏尾川という
川が流れているため軟弱地盤で、地下鉄戸塚駅付近は難工事でした。そのため一旦1987年に暫定開
業し、2年後の89年に本開業と、順を追って整備されました。
ところで画面で、踏切に通行止めの標識が立っているのが見えますが、朝夕の時間は、JRが頻繁
運行するためほとんど踏切が開かず、よって車は通行止めにしてしまっているのです。この道は国道1
号線で、本来なら通行止めにしたら大変なことになってしまうところですが、北側にJRをオーバーパ
スするバイパスがあり、車はそっちを回るため大丈夫なのです。
ちなみにそのバイパスは、戦後のワンマン宰相、吉田茂が大磯から永田町への公用車での通勤時、い
つもこの大踏切で待たされるため、業を煮やして作らせたもので、バイパスのJR跨線橋(立派なトラ
ス橋です)はその名を取って、「吉田橋」と命名されています。
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これが西口の所々に掲げられている、再開発の青写真です。
戸塚駅周辺は従来から、公共交通の使い勝手が悪く、再開発の済んだ東口側も、以前は駅前のごみ
ごみした商店群、分散したバスターミナルと、西口同様の状態でした。特に江ノ電バスのターミナルは
駅から離れており、利用者は不便をかこっていましたが、現在では神奈中と共に東口駅前にできたバス
ターミナルに乗り入れるようになり、商店群は再開発ビル内に移転しました。
また丸井など、大型店も進出したりして(上の写真に写っている左手の大きなビルです)、東口側は
ずいぶん立派になりました。これで西口も整備されれば、戸塚も横浜市の副都心として完成されること
になるでしょう。
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戸塚駅から少し西に位置する、矢沢付近です。
長後街道と先ほど紹介した国道1号バイパスが交わる地点で、名うての渋滞箇所でもあります。画面奥の
高架の道路がバイパスで、右側が東京方面です。国道1号バイパスは横浜新道へもつながっていますが、こ
の横浜新道自体も有名な渋滞道路で、この渋滞が長後街道まで波及したりすると、収拾がつかない状況に
なってしまいます。
朝など立場から戸塚駅まで、普通だと10分強の所要時間が、30分以上かかったりしているようで、業
を煮やした乗客がバスを降りて歩き出したりすることもあるようです。
戸塚駅付近にはここ以外にも原宿交差点付近、不動坂付近など国道1号線沿いを中心に渋滞の名所
が多く、このことも戸塚地区の公共交通を不便にしています。そういう意味で今回の地下鉄開業は、長
後街道沿線地区の方々にとって大きな福音となりました。
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戸塚の次の駅、踊場付近です。
付近は街道沿いということで古くからの家が多く、横浜市の中では比較的高齢化の進んでいる地区
です。そのため駅の上に、「踊場地域ケアプラザ」という高齢者福祉施設を新設し、デイサービスなど
を実施しています。画面中央、黄色いデニーズの看板の向こうに見えるビルがそうです。
長後街道全体に言えることですが、交通量に比して幅員の狭い道路の拡幅が進まず、所々用地は確
保されてはいるようですがなかなか全線拡幅とまでは行かないようで、道路渋滞に拍車がかかっていま
す。地下鉄開業に伴う交通アクセスの改善で、この付近では、新築マンションの建設が進んだりしてい
ますが、中には強引な建築事例も見られ、地区住民とのトラブルが発生したりしているケースもあるよ
うです。地域住民と協調した、節度ある開発が望まれます。
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小高い丘のようになった地形の頂上付近に位置するこの踊場地区は、江戸時代は鬱蒼とした山の中
で、山道の途中にあった小さな広場で夜な夜な猫が集って踊ったという言い伝えが伝わっており、これが地
名のいわれだそうです。現在、道ばた(上の写真のもう少し右側)に念仏塔(江戸中期、1737年建立)
がまつられており、当時を忍ばせています。
ちなみに、上の写真の左側に見えるビルの部分は、以前は擁壁で、この道全体が掘割のような地形
の所を通っていました。
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踊場駅コンコースです。
先ほども触れたようにここは地形的には高くなっているため、地下4層のつくりになっています。そのた
め、各出入口にはエスカレーターやエレベーターが整備され、お年寄りや障害者の方にも利用しやすい駅と
なっています。今回新規開業した全駅で、こうしたバリアフリー対策が施されています。
コンコースは地下3階にあり、通路には地名のいわれとなった猫の目の壁画などが描かれています。
画面やや左、改札内通路の天井からは、オブジェが下がっています。ここだけでなく、今回開業した各駅
には、いろいろなオブジェが見られますが、踊場駅のものは、ティム・プレンティス作「風−動きと輝き
−」といい、猫の軽やかな動きをモチーフにしているそうです。
今回の開業に伴う運行形態ですが、開業区間では朝は大体4分毎、日中は8分毎、夕方は6分毎、
といった感じで運行されています。特筆すべきは、ここ踊場には折り返し設備があり、朝ラッシュ時
に、踊場始発の横浜方面行きが6本ほど運転されていることです。ここまでの各駅からのお客さんで、
踊場から乗る方はまず座れないでしょうから、非常に恵まれた配慮がなされていると言えそうです。
この風景は朝方撮ったものですが、朝方地元の方々による花鉢の無料配布がここと中田で行われま
した。床に沢山おいてある白い袋がそれで、私も一つ鉢を頂きました。早起きは三文の得です。
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今回新規開業した駅には、すべて自転車駐輪場が併設され、近隣からの利
用客に配慮されています。これは踊場駅の駐輪場で、地下1階がそのスペースに当てられています。入り口
はスロープになっており、入るときは下りで楽ですが、出るときは登りで大変なため、自転車搬送補助のた
めのベルトコンベアーが整備されています。利用料金は1ヶ月定期利用で2千円、1日利用で百円です。
中田駅も同様の設備です。 |
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