湘南二都物語 第1幕 江ノ電をめぐる情景特別編
山の手の隣人−東急世田谷線(その2)
キャロットタワー展望室から望む、世田谷の街
(世田谷線が走っていくのが見えますね。2000.10.14.
展示替えです。)
上町駅を出発した、80形です。 10年ほど前の江ノ電をご存じの方は、この前面スタイルに見覚えのあることでしょう。なつかしい、600形の雰囲気を彷彿 とさせています。 上町には世田谷線の車庫があり、ここ止まりの区間運転があったりします。この80形の向こう側に、留置線がありま す。 |
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さて、これが300形、営業初運転開始直前の模様です! 300形は、99.7.11の朝、上町駅からさっそうと営業運転にデビューしました。 (その1)でもちょっと触れましたが、車体は非常に斬 新なスタイルで、ヨーロッパの路面電車を思わせるつくりです。福祉対策で、電車の床は低床、車椅子での乗降も可能です。 世田谷線では初めて、冷房もつきました。人に優しい電車です。 車体(第1編成)には、サザエさんのカッティングシー ルがいっぱい貼り付けてあり、さながら「サザエさん電車」です。世田谷の桜新町(三軒茶屋から新玉川線で2つ目)はサザ エさんの原作者、長谷川町子さんが住んでらした街で、長谷川町子美術館などがあり、商店街にはあちこちにサザエさんの漫 画が見られるなど、すっかりサザエさんのふるさとになっています。世田谷ゆかりのサザエさんをあしらったこの電車は、 きっと沿線の人気者になることでしょう。 |
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300形の運転席です。 (その1)でご紹介した旧型車の運転台とは全然違う、最新の設備です。 300形は、ワンマン運転にも対応できる設備を持っています。運転台
左側に見えるのは、車体中央部の降車扉付近の様子をモニターするテレビ画面です。車内自動放送や、扉の開閉なども、
全て運転士が一人で出来るようになっています。 |
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上町車庫の風景です。80形が何両かとまっています。 |
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宮の坂駅に到着した70形です。右側にも緑の電車が見えますが、これが、江ノ電から里帰りした電車です。江ノ電時代
は、601号を名乗っていました。
601号の紹介はこちらです! |
山下駅を発車する、300形です。
車体側面にもサザエさんのイラストが貼ってあるのが、よく分かりますね。ちなみに側面は、カツオやワカメらが、「駆 け込み乗車はあぶないよ!」などとみんなに呼びかけているイラストです。デビュー当日は雨になってしまいましたが、早朝 にもかかわらず地元の人たちが大勢初乗りに訪れ、鈴なりの満員状態でした。 さてこの駅は、小田急線との乗り継ぎ駅です。世田谷線は山下ですが、小田急線側は豪徳寺を名乗り、二つの駅は小さな
商店街で結ばれています。 |
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山下駅到着寸前の、80形三軒茶屋行きです。
街に空間が多く、空が高いのが印象的です。ちょっと、どこかのローカル線のような雰囲気が感じられますね。 |
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下高井戸付近を走る、70形です。
山下〜下高井戸間は線路沿いに道が続き、風景の開ける区間です。背の低い家々が広がり、穏やかな雰囲気です。 |
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ここが下高井戸駅です。右側奥に、世田谷線の電車が止まっているのがわかりますか?
ここは京王線との乗換駅です。左側を、京王線の下り電車が轟音をたてて通り過ぎていきます。京王線も通勤の大動脈
で、長編成の電車がひっきりなしに行き来します。そんな中、ぽつんとたたずむ世田谷線の電車。ちょっと、異次元のような
雰囲気を醸し出しているようです。 |
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さて、三軒茶屋から下高井戸まで、世田谷線のミニトリップはいかがでしたか?
東急田園都市線、小田急線、京王線と3本の通勤大動脈を結ぶかわいい電車、そして世田谷という街にすっかりとけ込んでいる緑の電車、
世田谷線。江ノ電ともゆかりが深いこの電車は、乗る人々につかの間の安らぎをもたらしてくれる、都会の中のオアシス的存在です。
江ノ電ともども、いつまでも走り続けて欲しいものですね!