湘南二都物語 第2幕 ミニバスの走る街

     第12部 大船駅東口〜ひかりが丘循環(江ノ電バス)

 

ここでは、大船駅東口からの2本目のミニバス路線をご紹介しましょう。

この路線も、ミニバスの特性をフルに生かして、

これまで大型車では曲がれなかった鋭角交差点を見事に克服し、

交通の便が悪かった住宅地と、駅を直結しました。

2001年1月18日、京急ポニー号に続く、大船駅2本目の日野リエッセ使用路線として開業しました。

 

大船駅ルミネターミナル1番乗り場にて待機する、ひかりが丘循環

 大船駅東口バスターミナルです。

 湘南東部の交通ジャンクションである大船駅の東口バスターミナルは現在、2ヶ所に分かれています。ここは通称、ルミネ・ターミナルといわれる乗り場で、これは大船の駅ビル、ルミネに隣接していることからその名がついています。もともとここは、大船駅前再開発事業によりできたバスターミナルで、以前は京急バス専用の、もっとずっと手狭なバス発着場でした。江ノ電バスはここには発着しておらず、これからご紹介しますがもっと横浜寄りの路上に、乗り場が分散していました。
 ここはすぐ上に湘南モノレールの大船駅があるので、ひかりが丘行きのバスが発着するここ1番乗り場は、日中でもちょっと薄暗くなってしまいます。その代わりこの1番乗り場は、ルミネ・ターミナルの中で一番駅寄りにあるバス乗り場となっています。

 1番乗り場は江ノ電バス専用で、このひかりが丘行きの他にも、平島、上大岡駅行き、本郷台駅行きのバスが発着します。上大岡駅行きは下でご紹介するもう一つの大船駅東口バスターミナル(サティ前)から発車(始発)するのがメインで、ここから発車するのは鎌倉駅から直通して上大岡駅まで行く長距離便のみとなっているため、本数は1時間に1〜3本位と、少なくなっています。ただサティ前ターミナルは駅から遠いのが難点で、利便性はルミネ・ターミナルのほうが全然良くなっています。
このルミネ・ターミナルからはこの他に、江ノ電バスの津村、江ノ島(手広経由)、藤沢駅、鎌倉駅(北鎌倉経由)方面、高野台(大船高校)、鎌倉湖畔住宅地方面行きが発着し、京急バスでは江ノ島(鎌倉山経由)、鎌倉駅(深沢経由)、諏訪ヶ谷循環、桔梗山行きが発着しています。また江ノ電・京急共同運行で、羽田空港行きのリムジンバスも発着しています(始発は藤沢駅)。

 このうち、京急の桔梗山行きもミニバス路線で、ミニバスの走る街第7部「大船駅東口〜桔梗山」で詳しくご紹介しています。
 この路線は京急ポニー号という愛称で、日野リエッセタイプのバスを使った初めてのミニバス路線ですが、ひかりが丘循環線も、日野リエッセを使っています。江ノ電バスでの愛称は、こまわりくんです。ルミネ・ターミナルでは、白いポニー号と黄色いこまわりくんが、よく顔を合わせています。

   

 ここは、大船駅降車場です。
 JR大船駅東口の階段を降りて左に少し歩くと、大東橋というT字交差点があるのですが、そのすぐ脇です。画面の奥に見える大きなビルが、大船駅ビル、ルミネウイングです。

 ここがルミネ・ターミナルができる前、江ノ電バスの乗り場として使われていたうちの1箇所で、ここからは現在ルミネ・ターミナル発着のバスのうち、鎌倉駅、高野台、藤沢駅、津村、江ノ島行きの乗り場でした。ご覧のように単なる路上のポール式乗り場で、屋根もなく、雨の日などは待つのが大変でした。
(なお、鎌倉湖畔方面行きは、ここからさらに駅から離れた路上に乗り場がありました。昔は大船駅東口のバス乗り場は、京急バス以外は全て路上で、これらのバス利用者は不便をかこちつづけてきました。)

 現在ここは、ひかりが丘から大船駅行きのバスで、降車のみ取り扱いをしています。車内ではテープではなく肉声で案内されますが、降車ボタンを押せばここで降車できます。(ボタンを押さなければ、ルミネ・ターミナルでの降車になります。)ひかりが丘発だけでなく、笠間十字路の方から来る上大岡駅始発の鎌倉駅行きに乗ったときなども、ここで降りることができます。ただし、乗車はできません。

 画面に写っているバスは、中央病院経由の鎌倉湖畔循環です(鎌倉湖畔系統は、ここを通過します)。この付近はちょうどバス会社エリアの境界(鎌倉市と横浜市の境界でもあります。)で、この道を通る路線バスは、大船駅前にもかかわらず江ノ電バスだけです。

大船駅降車場付近(大東橋交差点脇)
   
大船駅東口バスターミナル。

 大船駅東口の、もう一つのバスターミナル(サティ前)です。
 大船駅東口階段からは4〜5分の距離があり(上でご紹介している降車場より、更に横浜寄り)、途中路上の狭い歩道を歩いていかねばならないなど、駅ビル直結のルミネ・ターミナルに比べてロケーションは格段に不便ですが、大船駅東口発着の神奈中バス(県庁入口、上大岡駅、金沢八景駅、湘南桂台、上之方面)は全てここに発着しているほか、江ノ電バスも、戸塚駅、横浜駅、上大岡駅(始発)行きはここで発着しています。
 将来は、東口の階段を降りた正面付近にバスターミナルを作る計画のようですが、駅前再開発が進まず、現状のようになっているのでしょう。
 画面では見えませんが、左側のビルの向こう側には、JR大船駅のホームが平行してあります。左の道を走っているミニバスは、ひかりが丘から来た大船駅行きです。

 バスの発着台数はルミネ・ターミナルよりこちらの方が多く、その分ターミナルの大きさも、こちらの方が広くなっています。またバス乗り場の上には屋根を兼ねて、二輪車の駐輪場が設けられています。

   

 笠間十字路付近を行く、ひかりが丘方面行きです。
 ここはクルマ交通の要衝で、変則五差路に各方面からの車が集中し、休日など、よく渋滞します。
 大船駅からのバス路線も、ここで上大岡駅や金沢八景駅方面と、戸塚駅方面に分かれます。ひかりが丘循環線は、この先途中の宮前停留所まで、戸塚駅行きの路線と平行して走ります。

笠間十字路を戸塚方面へ向かう
   
飯島跨線橋入口交差点を鋭角に曲がる。この交差点が路線開設の最大のネックだった。

 宮前停留所の少し戸塚駅寄りにある、飯島跨線橋入口交差点です。
 この交差点は戸塚駅方面から来ると、道が大船方面とひかりが丘方面の二股に分かれるようになっているのですが、大船駅側から来た時は、ひかりが丘方面(この写真では、バスが向かっている右奥側です。)へ向かうには鋭角に曲がらなくてはなりません。江ノ電鎌倉営業所のバスは大型車がほとんどで、この交差点を鋭角に曲がることができませんでした。

 大船からひかりが丘方面へのバス路線については、以前から開設の要望があったそうで、ひかりが丘住宅地にお住まいの方々だけではなく、跨線橋方面の道沿いにある神奈川県立豊田高校(1980年開校)などの通学手段としても期待されていたようです。神奈川新聞の記事によると県の教育委員会では、豊田高校開校時にバス路線の開設を江ノ電に要望したそうですが、ここの交差点を大型バスが曲がれないために路線開設が見送られた経緯があるそうで、今回のミニバス路線開設は、実に高校開校20年目の悲願達成と言えるのかも知れません。
 もちろん、ひかりが丘住宅地にお住まいの方々にとってもそれは同じことで、同じく神奈川新聞によるとひかりが丘住宅地から大船方面への最寄のバス停(この交差点のちょっと戸塚寄りにある飯島バス停と思われます)まで、歩いて15分もかかっていたそうです。ただ戸塚駅方面へは、ひかりが丘住宅地の北側に隣接する飯島団地内まで江ノ電バスの路線があり、こちらを利用すればそれほど不便ではなかったでしょう。飯島団地までバス路線があったことも、このミニバス路線の開設が遅れた一つの理由かも知れません。

 やはり一番割を食っていたのは、飯島団地からも距離がある、豊田高校の生徒かも知れないですね。
 しかし・・・

   

 その県立豊田高校付近を走る、ひかりが丘循環線(大船駅行き)です。

 この付近は横浜市のはずれで、昔は田んぼが広がっていた田園地帯でした。現在はだいぶ趣が変わりましたが、それでもまだどこかに、当時の面影を残しています。例えば、画面に写るバスの右側の道端に見える赤いものは、古い六地蔵です。この付近が昔は農地だったこと、六地蔵はもともと細い農道の傍らに建立されたものであること、都市化に伴う道の拡幅で数回の移転を経てここに安置されたことなどが、お地蔵様の横にあった小さな碑に書かれていました。
 こうしたことからも、この付近の歴史を感じることができます。

 県立豊田高校は、この画面の左端にちょっとだけ写っている白い建物です。高校生が急増していた1980年に開校した全日制の普通科高校で、ピーク時は1学年12クラスもありましたが、現在は生徒が減ったこともあり、各学年6クラスとなっています。
 せっかく大船駅からのミニバス路線が開通した豊田高校ですが、2003年4月からは戸塚区にある県立汲沢高校の場所に移転・統合して、フレキシブルスクール(新しいカリキュラムの高校)として生まれ変わるそうです。この場所に学校があるのも、あと数年、ということになってしまいますね・・・。

 しかし高校の他にも、このミニバスを利用する人々はいます。画面正面奥に見えるのは、化粧品で有名なファンケルの本社です。ファンケルはデパートの化粧品売り場などにも出店しており、テレビでもCMが流れる一部上場企業ですが、ここに本社があったんですね。ファンケルがここにあるせいかどうか分かりませんが、この付近には他にもいくつか化粧品会社が立地しています。

県立豊田高校付近を行く。
   
飯島跨線橋を過ぎ、ひかりが丘住宅へ向かって上っていく。

 さて、バスはいよいよひかりが丘住宅地に入ってきました。住宅地の中心部へ向かって坂を登っていく、ひかりが丘行きです。
 ひかりが丘という名前は、この小高い丘陵地が南向きで明るいロケーションであることからつけられたのかも知れませんね。造成中の土地なども見え、明るい雰囲気です。

 ちょっと分かりにくいのですが、バスの左側奥に、飯島跨線橋が写っています。飯島跨線橋というのは、JR東海道線と横須賀線の線路をまたぐ細い道路橋なのですが、藤沢方面と横浜方面を結ぶ貴重な抜け道ルートとなっており、結構頻繁に車が通ります。このミニバスのルートは、マイカーの抜け道ルートでもあったんですね。
 蛇足ですが、今回ご紹介しているミニバスのルートは、JR根岸線の線路を3回もくぐります(冒頭の路線図を参照)。アングルが良くないので画像ではご紹介していませんが、こういうルートも珍しいです。

   

 飯島中学校前バス停に停車中の、ひかりが丘行きです。
 ここは終点の一つ前の停留所ですが、循環運転のバスは、早着した場合はここで時間調整をします。前述の笠間十字路など、渋滞の名所を経由するための措置でしょう。朝方など、当停留所始発のバスも運転されています。

 バスの右手奥に見える建物が、横浜市立飯島中学校です。飯島団地は、このちょっと先に広がっています。この付近が、ひかりが丘住宅地のほぼ中心地といえるでしょう。
 バスはこのあと、この先の交差点を左折して終点へと向かいます。

市立飯島中学校付近で時間調整中。
   
終点、ひかりが丘西バス停にて。

 いよいよバスは、終点、ひかりが丘西に到着しました。
 ここは文字通り、ひかりが丘住宅地の西のはずれにあたります。このすぐ西側は斜面になっていて、その下に東海道線と横須賀線の線路が通っています。電車が通ると、この辺りまでかなりの大きさで音が聞こえてくるようです。

 終点といっても、何の変哲もない住宅地の中ですね。夜遅くなると、ここ止まりのバスも運転されています。この先バスは再び交差点を左折し、もと来た道に出ると大船駅へと向かうのです。

 ところで皆さんの中には、この住宅地に建つ家の屋根にアンテナが見当たらないことに気がつかれた方もいらっしゃるかも知れません。ひかりが丘住宅地は南側に傾斜する斜面にあるので、北側、即ち電波が飛んでくる東京側の方が高くなっているために一部電波の届きにくい家があり、そのため住宅地全体で共聴アンテナを立て、そこからケーブルで各住宅に電波をひいているのです。 またこの住宅地では、良好な住環境を守るために建築協定を結んでおり、住宅以外の建築物は建てられなくなっています。

 

路線の概要(2001年2月現在)

運転系統
        
大船駅−笠間十字路−宮前−ひかりが丘入口
                             ↓      ↑     
                       飯島中学校前→ひかりが丘西         
所要時間                     一周約35分          
運転状況
   
平日 始発(大船駅発) 7:18    (飯島中学校前発) 6:20
       終発(大船駅発)22:30    (飯島中学校前発)22:00
              6〜8,18〜21時台、約20分毎。
             9〜17,22時台、約30〜45分毎。

   土曜 始発(大船駅発) 7:30    (飯島中学校前発) 6:25
       終発(大船駅発)22:15    (飯島中学校前発)21:45
              終日、約20〜50分毎。

   休日 始発(大船駅発) 7:35    (飯島中学校前発) 6:30
        終発(大船駅発)22:00    (飯島中学校前発)21:30
              終日、約30〜50分毎。

       ※朝方を中心に、飯島中学校前始発大船駅行き、
         夜間を中心に、大船駅発ひかりが丘西行きあり。

運 賃


        ひかりが丘西
      飯島跨線橋 170
     宮前  170 170
  笠間十字路 170 170 170
大船駅 170 190 190 210

   運賃前払い方式。前扉から乗車、後扉から降車。共通カード使用可能。     

担 当

           江ノ島電鉄 鎌倉営業所(平島車庫)
特記事項   

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