1999年4月3日、江ノ電極楽寺車庫にて、タンコロ108号その他の撮影をすることができました。ここにその画像を展示公開します!

 これが、タンコロ108号です。由比ヶ浜の鎌倉海浜公園に展示中の107号は痛みが目立ちますが、さすがにこちらの108号は車庫に保存されているため、美しい姿です。行き先表示板もばっちり決まり、現役時代を彷彿させます。
 昭和55年の引退時には、私も駆けつけ、乗車したものです。
   
 108号の内部です。
 ニス塗りの車内が、そして天井の白熱灯が、何とも言えない雰囲気を醸し出しています。まるで、何十年も昔にタイムスリップしたようです。ちなみに、乗降ドアは手動です。これこそ、江ノ電の原点であり、神髄です!(笑)

   

 108号の運転台です。今の電車と比べ、何と簡素な設備でしょう!これで運転できたのです。
 左側のハンドルがマスコン(自動車でいうアクセル)で、架線の電流を直接コントロールする、昭和初期のものです(現在の電車は、間接制御です)。速度計はなく、ブレーキ圧力メーターだけです。昭和56年1月、、江ノ電が自動列車停止装置(ATS)を導入するまで、全ての電車に速度計はありませんでした。
 この108号はATSを搭載しておらず、そのためもう本線を走ることはできません。残念です。でも幸いなことに、車庫内を自走することはできるんですよ!
   
 これはおまけです。極楽寺工場に保存してあった、ヘッドマークの数々です。それぞれが皆、思い出の品です。
 かつてこれらが、引退する電車や、デビューしたての電車の顔を飾ったのです。昭和55年に登場したての1000形が、ブルーリボン賞を受賞したときのヘッドマークもあります(下に置いてあるものです)。
 当時、ブルーリボン賞は新幹線や小田急ロマンスカーといった、鉄道界を代表する華やかな車両に贈られるものと考えられており(現在も基本的には同様ですが)、この賞を江ノ電が受賞したことは、非常な驚きと興奮とをもって迎えられたものでした。1001,1002両編成の客室最前部に、今もエンブレムが輝いています!

   

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