かっしーの家藤沢館 第5展示室

体験!引地川いかだくだり

 

引地川は、大和市上草柳の「泉の森」を源流に南下し、
藤沢市を北から南へと縦断して相模湾にそそぎ込む、二級河川です。
流域はかなりの部分が都市化した地域ですが、
藤沢市大庭付近などは、河岸段丘を形成している流れに沿って水田が広がり、
自然の豊かさを感じることもできます。

そんな引地川も、昔は特に下流域で、「暴れ川」の名を欲しいままにしていたこともありました。
その名残は今も、川沿いに見られる石碑や、地名割りなどに見ることができます。

今日の引地川は、湘南を流れる小河川として、流域の人々に暖かく見守られながら、
穏やかに流れています。

かっしーの家の地元、鵠沼海岸は、引地川の一番下流にあるエリアです。
ここで引地川は、海に出るのです。

秋の爽やかな日曜日、鵠沼海岸エリアの引地川で、
いかだくだり体験をすることができました。
NPO「川と海の環境を守る会」主催のイベントで、
穏やかな日差しの中、街中に残る自然と、のどかな気分を満喫することができました。

それでは皆さんにも、引地川いかだくだりの気分を味わっていただきましょう。
写真はそれぞれ、地図上の記号の場所で撮影しています。

 

 A地点です。
 この日の乗り場は、日の出橋のたもとでした。ここの川辺には、親水エリアが設けられていて、堤防上から川面へ降りることが できます。これがいかだ?と思われるでしょうが(私もそう思いました^^;;;)、乗ってみると案外頑丈なものです。いらな くなったサーフボードをリサイクルして、上に板を張って作ってあります。

 画面に映っている親子連れも、一緒にいかだに乗り込みました。冒険の旅に出発!というところでしょうか(笑)。

   
 いかだは無事に出航しました(笑)。B地点、稲荷橋をくぐり、鵠南小学校横を行きます。

 河岸では、川面に釣り糸をたれている人の姿が目立ちます。この辺は河口に近いこともあり、海から魚が結構遡上してき ています。ハゼやボラなどが主ですが、まれには鮎やフグ、ウナギなどもいるようです。橋の上から川面を眺めていると、 時々魚がぴょんと空中に跳ね上がるのを目撃したりします。

 菅笠をかぶっているのは、今日の船頭さんです。川と海の環境を守る会(かわうみ、と略すようです)の方々で、お二方 がついてくれています。川下りの最中には、引地川の沿革や地域に果たす役目、この辺にいる魚の話などをいろいろとして下 さいました。

   
 いかだは次の、竜宮橋にさしかかりました。C地点です。

 この右手の岸辺には、引地川下流域で30年ばかりずっと活動を続けている、カヌークラブの船着き場(?)がありま す。この付近で休日などに、よくカヌーをやってるのを見かけますが、ここのカヌークラブの方々です。ローカルなようです が実績はすごく、これまでに国体選手や、オリンピック選手をも輩出したという、すごいクラブです。

   
 D地点、竜宮橋をくぐり、次第に河口が近づいてきました。

 引地川の堤防は、今写っているのが1960年前後の治水で作られた堤防ですが、竜宮橋から上流、城南地区(藤沢バイ パス付近)までは、1980年代後半だったように記憶しますが、堤防を再改修して、用水路のような趣になっています。 所々日の出橋付近にあるような親水エリアを設けたりしていますが、ちょっと味気ない風景です。そのせいもあってか、最近 (1998年頃から)再度堤防の改修が始まりました。これは改修というか補強で、完成したところでは今までの用水路のよ うな堤防の中程に段ができ、そこが細長い緑地帯のようなエリアになっています。

 A地点日の出橋の写真で、左側に見える対岸の堤防に一部その様子が見えています。また、上のC地点、竜宮橋をくぐろ うとする写真でも、左岸でその工事をやっている様子が見えます。

   
 E地点です。後ろを振り返ると、もう竜宮橋があんなに遠くなってしまいました。 橋をくぐるときは、橋の上にいる人た ちからも熱い視線を浴びます。ここ竜宮橋では、写真撮影もされてしまいました。

 引地川は二級河川ですが、深さはこの付近で通常期、約1メートルほどです。今日は穏やかな流れですが、これが台風で も来ると、一気に増水し、流れも激しくなります。そんな時、川を眺めていると、自然の脅威に身のすくむ思いです。

 それにしても普段上から見慣れている引地川も、こうして川面に降りてみると、実に新鮮な雰囲気です。この気分は、次 の鵠沼橋付近で盛り上がります。

   
 F地点です。引地川にかかる最後の橋、鵠沼橋をくぐろうとしています。橋の向こうには、江ノ島が見えています。

 この付近で川は少しカーブしていますが、そのため川面にいると、江ノ島の姿は、ずっと堤防の陰に隠れて見えません。 この付近に来て、初めて「あっ!江ノ島だ!!」となります。というわけで、いかだくだりで川面から見る江ノ島の姿は、普 段地上で見慣れている江ノ島とは異なり、ちょっとドラマチックな感じです。冒険気分も、最高潮です(笑)。

   
 鵠沼橋をくぐると、その先ははもう海です。このG地点で、船頭さんが投網をやって下さいました。もう川底までは、40 センチほどです。

 この日は、珍しく小さなフグがかかりました。残念ながらシャッターチャンスは逃しましたが・・・(^^;;

   
 さていよいよ冒険の旅も終わりです。H地点、河口左手の岸辺に上陸!です。

 ここは、第1展示室の鵠沼海岸2・3丁目の項でちょっとご紹介している、引地川の旧流との合流地点でもあります。そ ばにニエアルの碑が建ち、湘南海岸サーフビレッジもこの反対側を少し行ったところにあります。

   
 上陸地点には、上流から流されてきた様々なゴミが漂着していました。最後にみんなで、これらのゴミを拾います。

 今日のいかだくだりは、引地川の貴重な自然を守るとともに、川から海に流れ込むさまざまなゴミについて現状を知るこ とも目的の一つです。
 湘南海岸には、第4展示室でご紹介しているように多くのゴミが漂着し、景観が損なわれているわけですが、そのゴミの多 くは現在、川から流れ込むものが主流を占めていると考えられています。よって海岸美化のためには、海岸清掃だけではなく 河川流域での美化活動が、非常に重要なわけです。
 かながわ海岸美化財団の方の話によると、引地川流域では大和市で熱心な美化活動が行われているようですが、藤沢市流域 での美化活動は今ひとつだそうです。

 と、いうことで藤沢市の皆さん、河川の美化活動を進めましょう!

   
 河口付近の清掃も終わり、いかだは再び、日の出橋のたもとへと戻っていきます(T地点)。さあ、次のお客さんには、ど んな冒険が待っているのでしょうか!(笑)

 私も引地川でカヌーは何度も目撃していますが、このようないかだが川面に浮かぶのを見るのは実は初めてです(笑)。 我々がこれに乗っている間も、さぞや注目を集めていたことでしょう!
 しかし改めて客観的にこのいかだを見ると、ホント、かわいいですね(船頭さん、ごめんなさい!)。

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