かっしーの家藤沢館 第8展示室

ある晴れた日に

−2000.4.30. 引地川水系水質等汚染調査の模様−

 

 2000年春、湘南地方を驚くべきニュースが駆け抜けました。

「引地川から、環境基準値8100倍の高濃度ダイオキシン検出・・・荏原藤沢工 場から流出」
「葛原の最終処分場近くの水路から、環境基準値2600倍の高濃度ダイオキシンや、シアンを検出」
「米軍厚木基地周辺の大気から、最大21ピコグラムの高濃度ダイオキシン検出」

 この事態を受け、行政も環境NPOも、対策に乗り出しました。このような時 に、地域住民にとって一番大切なことは、信頼できる正確な情報が迅速に伝えられることでしょう。

 かっしーの家が運営委員をしている藤沢市民電子会議室でも、この目的を達成す べく、委員会あげて全力を尽くしています。そして各環境NPOも、緊急市民集会を相次いで開くなど、問題解決のために奮闘しています。

 ここでご紹介するのは、そうした活動のうち、2000年4月30日(日)に行 われた、引地川水系水質等汚染調査の一コマです。この調査は、「止めよう!ダイオキシン汚染・関東ネットワーク」「廃棄物処分場問題全国 ネットワーク」が主体となり、「ふじさわ・ごみの会」が協力して行われました。

 この日の行程は、次の通りです。(なお今回の調査は、事前調査として行われま した。)

鵠沼海岸1丁目、平和の像駐車場(集合)〜鵠沼橋(引地川河口部)〜富士見橋 (水質等測定ポイント)〜高名橋(荏原の排水口所在地)〜石川橋〜葛原処分場(ここまで藤沢市内)
エンバイロテック(米軍厚木基地横にある産廃焼却処分 工場)〜立川橋(エンバイロテックのすぐ下流の蓼川に架かる橋、ここで解散)(ここまで綾瀬市内)

 

富士見橋付近にて、底質(川底の泥)を採取中。

富士見橋は、行政による水質・底質の調査地点になっています。

   
富士見橋で採取された底質です。
   
富士見橋付近では、
アヒルの姿も見ることができました。
   
高名橋の下で、底質を採取。

画面の右側が、荏原からの雨水排出口です。ここからダイオキシンが流れ込んでいたのです。
昨日(4/29〜5/14までを予定)から、この雨水管の洗浄作業が始まりました。

   
葛原(藤沢市御所見地区)の第2処分場です。

第1処分場(画面左奥)は、既に満杯になっています。

葛原処分場正面入口に掲げられた、表示プレートです。

これは調査当日の撮影ではありません。後日、藤沢市民電子会議室運営委員の一人から提供されました。

   
第1処分場脇にある、水路です。

左側から流れ出てくる水が、第1処分場からの地下水です。ここから大量のダイオキシンが検出されました。水路中央 の管から流れ込んでいるのは、汚水処理プラントからの処理水です。

ここでも再度、地下水を採取しました。

   
これが、汚水処理プラントです。
処分場のすぐ脇にあります。
   
エンバイロテック付近にある、廃棄物 貯留地です。綾瀬工業団地からの俯瞰です。

向こう側に見えるのが米軍厚木基地、手前を流れているのが蓼川で す。

この付近は昔、養豚場が多かったそうで(高座豚)、そのせいか糞尿 のような臭いが充満していました。廃棄物貯留地には、大きなカラスがいっぱい群がっており、我々の頭上にも飛び 交っていました。

こうした景色を見ると、ゴミ問題の深刻さをいやというほど痛感させ られます。

   
廃棄物貯留地の、北側の風景です。
左の建物の後ろに煙突の一部が見えますが、これがエンバイロテックです。

現在同社は、焼却炉にバグフィルターの設置工事を行っており、 2000年5月下旬までには完成する予定です。

2001年4月20日の神奈川新聞によると、エンバイロテックの焼 却炉は近々国の予算措置により、撤去されることになったようです。(2001.4.22.追記)

これからも、今まで見てきた地点において各種検査が行われていくことでしょう。

我々としては、その結果を注意深く見守っていきたいものです。

また今回の調査でもそうでしたが、環境NPO諸団体の行動力には、敬服させられます。
これからも、各方面にその行動力を遺憾なく発揮してもらいたいと思います。

 

かっ しーの家藤沢館へ戻る