湘南二都物語 第2幕 ミニバスの走る街

           第9部 戸塚駅東口〜下倉田循環

 

昔の戸塚の面影を残すエリアを

こまわりくんが走ります。

大型車が主流の戸塚地区にあって、この路線のミニバスは、ひときわ目立ちます。

戸塚駅東口に発着する、唯一のミニバス路線です。

 

 戸塚駅東口バスターミナル、2番ポールに停車中の、下倉田循環バスです。

 このターミナルは、比較的最近整備されたもので、江ノ電(鎌倉営業所)と神奈中(舞岡・戸塚営業所)のバスが発着しています。それまでの戸塚駅東口は、現在の西口のような雑然とした雰囲気で、バス乗り場も3ヶ所に分かれていました。神奈中バスは比較的改札に近い位置にターミナルがありましたが、江ノ電バスは少し離れた、現在の「戸塚駅入口」バス停(現在は、戸塚駅の一つ前のバス停となった)付近、ユニー横にターミナルがあり、不便でした。行き先は「戸塚駅」なのですが、終点は「駅入口」だったのです。
 その当時は、現在も駅の北側、国道1号線の不動坂手前にある戸塚ダイエーまで江ノ電バスが走っており、それに乗ると狭い道を通って戸塚駅の正面付近にある「戸塚駅」バス停にとまっていました。これ以外は、全て「駅入口」止まりでした。
 現在はダイエー行きは廃止されましたが、江ノ電バスは全て駅前まで乗り入れるようになり、ずいぶん便利になったわけです。

 戸塚地区は、現在も発展が続く活気のあるエリアで、この付近を走るバスにもよく新路線が開業しています。今回取り上げた下倉田循環も、1998年春に開通したばかりの新しい路線で、同じく戸塚駅東口に発着する見晴橋行きの関連路線といえます。

 この路線に使われているミニバスは2台で、1台は、こまわりくん型低床バス(現在、藤沢駅〜高根、渡内中央線で使われているものと同じ新車)、もう1台はここに写っている、七里ヶ浜循環線と同じ中型バスです。このバスはもともとは藤沢駅〜高根線用に新造されたもので、七里ヶ浜循環線に転用後、この路線に再度転用されました。

   
 駅を出たバスは、JR東海道・横須賀線の線路脇を南下します。これ以降写っているバスは、全てこまわりくん型の新型低床バスです。

 戸塚南部(下倉田、長沼、飯島地区)は、江ノ電鎌倉営業所の独占ドル箱地区で、この道も江ノ電バスが頻繁に走ります。戸塚地区は前述のように現在も発展が続いているため乗客が多く、江ノ電鎌倉営業所のバスは大型バスの割合が高くなっています。下倉田循環線はそんな鎌倉営業所の持つ唯一のミニバス路線で、大型バスに混じって孤軍奮闘するミニバスの姿が印象的です。

 戸塚駅東口に発着する江ノ電バスの系統は、駅を出て東進する舞岡台・京急ニュータウン・明治学院大学方面行きと、ここに写るJR線脇の道を南下する、大船駅・本郷台駅(平島)・飯島団地・見晴橋方面行きに二分されます。
 ちなみに神奈中バスは、主に戸塚西部・北部方面をエリアとし、東口からは緑園都市駅・三ツ境駅・横浜駅(井土ヶ谷・保土ヶ谷駅など経由)などが発着しています。

   

 下倉田循環線は、途中豊田中学校前まで、見晴橋行きと同じ路線を走ります。この2路線は、下倉田バス停からJR線より離れ、下倉田町内に入っていきます。

 ここに写るのは、宮谷付近を行く戸塚駅方面行きです。線路沿いはすっかり都市化した風景が続いていましたが、この付近からだんだん、昔の戸塚の面影が見られるようになってきます。裏道然としたこのルートはカーブが多く、ミニバスでは何ともないですが見晴橋行きの大型バスでは、ちょっと大変です。

   
 下倉田中央バス停付近です。
 見晴橋行きの江ノ電大型バスが写っています。下倉田循環線はこの三叉路から循環ルートに入り、反時計回りに下倉田地区を回ります。戸塚方面から来た循環ミニバスは、まずこの三叉路を左に行き、豊田中学校前付近から独自ルートに入って、この三叉路の右手前側からもとのルートに戻って戸塚駅方面に戻ります。

 この三叉路右手前すぐの所に、「ちからいし」バス停があり、三叉路を左手に行ってすぐの所にある「下倉田中央」バス停とは、ちょっとしか離れていません。下倉田循環線の最終バスは、この「ちからいし」止まりになっています。

 余談ですが、右側のお店のレトロさがいいですね!

   

 鋼管団地した付近を行く、こまわりくんです。

 この付近は、既に見晴橋行きと分かれた独自ルート上ですが、この少し南側(この風景では手前方)を通る環状3号線上に、見晴橋行きの下倉田花立バス停があります。もともと見晴橋行きはこの下倉田花立止まりだったのですが、昨年、環状3号線の整備に伴い、本郷台北部地区の見晴橋まで延長されました。下倉田花立までのバス路線も、それ程古い路線ではなく、下倉田地区の発展ぶりをよく示しています。

 またこの付近は、環状3号線の整備前、長沼方面から鎌倉街道方面への抜け道となっていたところです。ここから先「ちからいし」付近まで、道幅も狭くなります。

   
 「かくぜん」付近を行く、こまわりくんです。
 「かくぜん」、「ちからいし」と、この辺の停留所名はひらがな表記になっています。「ちからいし」など、漢字で書くと「力石」となり、あしたのジョーではないですが「りきいし」などと間違って読まれないように、ひらがなを使っているようです。

 この付近は、昔の戸塚らしさをよく残しています。雑木林や竹林、小高い山、お寺、蔵のある家(バスの背後がそう)などが残っていたりします。しかし街はどんどん開発されてきており、この付近も小山の斜面に大規模住宅が開発中です。
 この東北側の山の上に、明治学院大学戸塚キャンパスが広がっています。東側の山向こうは、北本郷台の住宅地です。

 バスはこの後、「ちからいし」の先で上でご紹介した三叉路に戻り、戸塚駅に帰っていきます。

 

路線の概要(2000年1月現在)

運転系統

   
   戸塚駅東口−下倉田−宮谷−下倉田南−ちからいし−戸塚駅東口     

早朝に下倉田南始発、最終にちからいし止まりあり
  

所要時間

全線約24分

運転状況


  平 日 始発(下倉田南)6:28(始発) (戸塚駅)7:31
       終発(下倉田南)20:54    (戸塚駅)21:15(ちからいし止)
  土 曜 始発(下倉田南)6:50(始発) (戸塚駅)7:32
       終発(下倉田南)19:38    (戸塚駅)20:08(ちからいし止)

  休 日 始発(下倉田南)6:50(始発) (戸塚駅)7:33
       終発(下倉田南)19:37    (戸塚駅)20:06(ちからいし止)

             22〜約40分毎。平均約30分毎。

運 賃


    ちからいし
  下倉田

170

戸塚駅 170 190

運賃前払い方式。前扉から乗車、後扉から降車。共通カード使用可能。

担 当

江ノ島電鉄 鎌倉営業所 (平島車庫)

特記事項  

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