湘南二都物語 第2幕 ミニバスの走る街

         第8部 辻堂駅北口〜赤羽根(神奈中バス)

 (地図上の黄色細線は、神奈中バスの関連路線です。)


今回取り上げるのは、辻堂駅北口から出る、

2本あるミニバス(中型限定)路線のうちの1本です。

バイパス下の狭い側道を走る、

ミニバスらしさを体現する路線です。

(2000.10.21.担当移管に伴う記述追加。紫字の部分です。)

 

 辻堂駅北口の、バスターミナルです。ここは神奈中バスだけが乗り入れており、湘南ライフタウン、慶應大学方面や、藤沢駅、湘南台駅方面などを中心に路線を延ばしています。
 赤羽根行きは、5番ポールからの発車です。

 ここは、茅ヶ崎駅行き、茅ヶ崎市立病院行きとポールを共用しています。茅ヶ崎市立病院行きは、辻堂北口バスターミナルに発着するもう一本のミニバス路線ですが、開通したのは赤羽根行きの方が先でした。又、赤羽根行きは、神奈中の子会社である、湘南神奈交バス・藤沢営業所(2000.9.18、神奈中茅ヶ崎営業所から担当移管)の三菱製中型バスが限定で使われており、一方の市立病院行きは、元々赤羽根行きで使われていた、いすゞ製中型バス(こちらは神奈中茅ヶ崎営業所所属)限定となっています。
 そもそも開業当時の赤羽根行きは、現在、湘南神奈交バス秦野営業所で使われているマイクロバスが使われていて、それが乗客の増加などの理由で、中型バス使用に進化(?)したのでしょう。

   
 赤羽根行きはバスターミナルを出ると、湘南ライフタウンからまっすぐ辻堂駅まで延びる4車線の県道を北上します。そして国道1号線と交差した後、国道1号の北側を平行して延びる新湘南バイパスの側道へと進んでいきます。
 ここに写っているのは、新湘南バイパス側道へ入っていこうとしている赤羽根行きです(城南1丁目〜城南間)。高架になっているのが、新湘南バイパスです。

 新湘南バイパスというのは、茅ヶ崎〜平塚間の国道1号線の混雑を解消するために建設されているもので、この付近を起点とし(戸塚方面からの藤沢バイパスに直結している)、現在、相模川東岸河口部の国道134号線付近まで開通しています。最終的には相模川を越え(134号線の海側に架橋予定)、平塚市の西端で西湘バイパスに直結する予定です。

 バイパスの高架をくぐった向こう側に見えるのは、ライフタウン南端の丘陵地を貫く、大庭トンネルです。湘南ライフタウン、慶應大学方面に行くバスは、このトンネルをくぐっていきます。
 このトンネルはライフタウン・藤沢市北部方面と辻堂駅とを結ぶ重要なもので、かつてこのトンネルが開通する前は、ライフタウン方面の住民は東側を大きく迂回して辻堂駅に出るしかありませんでした。

   

 六図付近、藤沢市との市境を越え、茅ヶ崎市の東端付近を走る、辻堂駅行きのバスです。
 赤羽根行きは、この後終点赤羽根まで、ずっとバイパス下の側道を走ります。バイパスの料金所があるために、この付近では上空のバイパス高架の面積が横に広がっています。

 このあたりは、いわゆる古代の海岸線だったところで、バイパスの北側に続く丘陵地帯の下まで、遙か昔には海が入り込んでいました。
 バイパス北側の、丘陵地と挟まれた地帯には、すぐ南側がバイパスなせいか、今でもひなびた雰囲気の農村風景が残っており、心が和みます。しかしバイパス南側には既に住宅が建ち並んでおり、この辻堂駅〜赤羽根線は、こうした住宅に住む方たちの貴重な足となっています。

   
 ところで新湘南バイパスの南側には、江戸時代には大山街道と呼ばれた、県道伊勢原藤沢線が平行しています。
 この道は、県道ながら拡幅されておらず、中央線もない幅の狭い道なのですが、藤沢と寒川方面を結ぶ抜け道として、以前からドライバーにとっては重要な道でした。現在はその抜け道の役割をバイパス側道が担っているのですが、この付近(菱沼1丁目〜松林ケアセンター前間)では500メートルほどですが、この旧大山街道と側道が一緒になっています。そのため、側道は基本的にはバイパスの両側に一方通行で続いているのですが、この区間だけは対面通行になっています。

 側道は、バイパスの茅ヶ崎中央IC少し手前を通るJR相模線のところで途切れているので、抜け道としての役割も茅ヶ崎中央IC手前まで、そこから先では現在でも、旧大山街道に抜け道の役割があります。
 旧大山街道は側道終点付近で再び側道と合流し、その先側道から分かれて相模線を小さな踏切で越え、寒川方面に続いているのです。ただこの残された区間も幅員が狭いままで、そこを多くの車が行き交うため、通る時には注意が必要です。側道が相模線を越えて伸びてくれると、この交通の隘路も解消されるのですが・・・

   

 終点の赤羽根付近です。
 相変わらず、上空にはバイパスの高架が続いています。付近にあった、神明大神社の小高い丘につづく歩道橋から、赤羽根発の辻堂駅行きバスを望んでみました。バスは側道間を結ぶ短絡路を通って、上り方の側道に折り返します。

 この路線は、ずっと側道を通るために距離感がつかみにくいのですが、実はもう茅ヶ崎駅の北部付近まで来ているのです。この終点赤羽根の少し先で、側道は南北方向に走る県道とぶつかるのですが、その県道を南下すると、茅ヶ崎駅に出ます。又、この県道沿いに神奈中茅ヶ崎営業所があり、担当が茅ヶ崎営業所だった頃(2000.9.17まで)には、このルートは赤羽根線の回送ルートにもなっていました。

 まわりの風景も相変わらず、バイパス北側はのどかな風景、南側は住宅地です。


路線の概要(1999年12月現在)


運転系統

 
   (辻07系統)

         辻堂駅北口 − 城南1丁目 − 菱沼1丁目 − 赤羽根  
   

所要時間 全線約12分
運転状況


平 日
 始発(赤羽根) 6:00(辻堂駅) 6:15
     終発(赤羽根)20:00(辻堂駅)21:10
    

土 曜 始発(赤羽根) 6:00(辻堂駅) 6:20
     終発(赤羽根)20:00(辻堂駅)21:10

平日・土曜 ; 毎時約40〜50分毎
  ただし始発〜8時台、17時〜終発の赤羽根発は約20分〜30分毎      

休 日 始発(赤羽根) 7:00(辻堂駅) 7:25
     終発(赤羽根)18:01(辻堂駅)18:26
      毎時約40分毎 ただし12時台は運行なし

  
     

運 賃
      赤羽根
    六 図 170
  羽鳥1丁目 170 170
辻堂駅 170 170 190

  運賃後払い方式。前扉から乗車・降車(始発は後扉から乗車)。共通カード使用可能。
ただし、平日始発〜午前8時台まで、赤羽根発辻堂駅行きは前払い。
(2000.9.18より)

       

担 当 湘南神奈交バス 藤沢営業所(高山車庫)
※2000.9.18.神奈中茅ヶ崎営業所(鶴が台車庫)より移管
特記事項  

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