湘南二都物語 第2幕 ミニバスの走る街

           
第5部 戸塚駅西口〜上矢部循環(神奈中バス)

      (備考)戸79系統;戸塚バスセンター〜鳥が丘中央〜領家中学校〜弥生台駅(神奈中・戸塚営業所)
           東22系統;弥生台駅〜領家中学校〜上矢部高校〜東戸塚駅(神奈中・舞岡営業所)
           東23系統;弥生台駅〜領家一丁目〜東戸塚駅(神奈中・舞岡営業所)

今回取り上げるのは、いわゆる交通不便なエリアへのアクセス路線の例です。

渋滞の名所をショートカットし、住宅地や工業団地と駅を直結する、

ミニバスの特質を発揮したルート設定です。

神奈中バスのトレンド、あひるのロゴを車体につけた、青いミニバスの活躍が見られます。

 (2002.10.14.戸塚駅バス乗り場風景1点追加、中型バスの記述およびバス発車時刻リンクを追加。水色字の部分です。)


 戸塚駅西口のバス乗り場です。駅から少し離れた、東海道線の線路際にあります。バスの向こう側に見えるのが、東海道本線です。右側が戸塚駅です。

 戸塚駅西口のバス乗り場は、ここ「戸塚駅」と、駅前商店街を抜けたところにある「戸塚バスセンター」の2個所に分散しています。東口もかつてはバス乗り場が分散していましたが、現在は再開発が行われ、駅前に集約されています。西口側も再開発計画が進行中で、やがて東口同様、駅前に集約されることでしょう。
 バスセンターが西口のメインのバス乗り場で、ドリームランド方面や、長後駅、藤沢駅行きなどのバスが発着しています。一方「戸塚駅」からは、このミニバスや、汲沢団地行きのバスが発着します。99年8月28日までは、他にも立場、下飯田、湘南台駅方面行きのバスが発着していましたが、29日の横浜市営地下鉄戸塚〜湘南台間開業で、この路線は廃止され、「戸塚駅」発着のバスは寂しくなりました。

 余談ですが、今回の地下鉄開業で戸塚西部や泉区の公共交通事情は一新し、このエリアのバス路線では車庫の移転を含む大きな再編が行われました。ここで取り上げたミニバス路線の開業のきっかけともなった名うての渋滞道、長後街道の下を地下鉄は通るため、この沿道に住む方々の交通事情は劇的な改善をとげました。

 2000年秋頃、戸塚駅西口バス乗り場の上に横浜市の自転車駐輪場ができました。
 左下の写真は、2002年10月の戸塚駅西口バス乗り場です。
 バスの向こう側に、東海道線の電車が見えます。


   
 戸塚駅を出たバスは、しばらくは幅員の狭い道路を走ります。
 横浜新道につながる国道1号バイパスと、東海道線に挟まれた狭いエリアをとおるこの道は、元々は行き止まりの道だったようですが、この先に小さなトンネルができて反対側(鳥が丘地区)に抜けられるようになったため、今ではマイカー・タクシーなどの抜け道として使われるようになりました。
 トンネルを挟んだ両側の道が狭いため、ここの路線ではミニバスを使っているようです
(なお2002年10月現在、輸送量の増加に伴い、中型バスも朝夕を中心に当路線で使われています)

 なお、ここと同じくアヒルを描いたミニバスを使う藤沢駅〜藤が岡循環線では、バスに「湘南ロコ号」という愛称がついていますが、上矢部循環では、同じバスでも特に愛称はついていません。また、アヒルのロゴのないミニバスも走っています(下の方に出てきます♪)。

   
 これが平成6年春に開通した、矢部トンネルです。この道ができたおかげで、鳥が丘地区の人々は戸塚駅まで早く行けるようになり、さらにこのミニバス路線の開業でますます利便性がアップしました。

 このトンネルの上は、国道1号バイパスがとおっています。ちょうどこのトンネルの上に、やはり神奈中バスの「矢戸矢部」という停留所がありましたが、地下鉄開通と同時に廃止になりました(もっとも、廃止直前では1日に1本だけ(戸塚駅〜横浜新道経由川上団地行き)という閑散路線でしたが)。
 左側に見える階段が、バス乗り場への入り口でした。

   
 鳥が丘地区を走るミニバスです。

 鳥が丘は洗練された高級住宅街ですが、これまでのバスの運行経路では最寄りの戸塚駅に行くのに、長後街道に一旦出なければならず、この長後街道が渋滞するために駅までずいぶん時間がかかって不便でした。
 この路線(戸79系統)は、戸塚バスセンターと相鉄いずみ野線の弥生台駅を結んでおり、弥生台方面へは比較的スムーズに運行されていますが、横浜、東京方面のアクセスを考えると、やはりJR戸塚駅に出るのが便利です。

 このミニバス路線の開通で、戸塚駅までのアクセスはずいぶん便利になりました。

   
 上矢部高校付近です。

 この付近は、上矢部地区を見下ろす高台の上です。上矢部高校は、昭和58年度開校の中堅県立普通科高校で、昨今の県立高校個性化推進方針により、美術陶芸コースの開講や、選択科目の充実などのカリキュラムが組まれています。左側に見える防球ネットが、上矢部高校のものです。上矢部高校バス停は学校の裏側(グラウンド側)で、正門は反対側になります。

 上矢部循環のミニバスは、午後2時を境に運行方法が変わります。始発から午後2時までは、鳥が丘→上矢部高校→領家中学校→鳥が丘というコースで運行されますが、2時以降は、鳥が丘→領家中学校→上矢部高校→鳥が丘と、逆回りになります。
 これは、お客さんの流動状況に合わせたもので、午前中は戸塚駅からの通勤客などを上矢部地区の工業団地等に運び、その帰りに領家・鳥が丘地区の住民を駅に運ぶ、という形、午後は逆に帰宅の通勤・通学客を鳥が丘・領家地区に運び、その帰りに上矢部地区の工業団地等にお勤めの方などを戸塚駅まで運ぶ、という運行形態になります。そういう輸送ができるように、うまく運行経路を設定しているのがこの路線の特徴です。

 このページでは、上矢部回りのルートでご紹介していきます。

   
 上矢部地区の戸塚工業団地バス停付近です。上矢部高校付近には、横浜市の中小企業団地があり、朝はここへの通勤客がミニバスを利用しています。ちょうど駅と上矢部地区の両方向へ輸送需要があるわけで、効率のいいバス路線といえます。

 ここにはこのミニバスのほかに、東戸塚駅〜弥生台駅間の従来路線(東22系統)もあり、両路線でこの工業団地への通勤客をさばく形になっています。鳥が丘、上矢部、領家地区では複数の従来路線と重複するのも、このミニバスの特徴の一つです。

   
 横浜市の上矢部地区センター付近です。バスの向こう側に見えるビルが、地区センターの建物です。

 この地区センターは平成5年春のオープンで、体育室、会議室、図書コーナーなどのほか、上矢部地域ケアプラザ(デイサービス)や、知的障害者通所更生施設「であい」(製パン作業等)なども併設されており、多くの住民に利用されています。建物は4階建てで、1階が地域ケアプラザ、2階が「であい」、3・4階が地区センター、といった構成になっています。
 なお、建物は全体が横浜市の設置ですが、運営は地区センターが横浜市、ケアプラザと「であい」は社会福祉法人「であいの会」が行っています。 
   
 上矢部地区センターから諏訪久保方面を望んだところです。領家中学校方面へ向かって坂を上っていくミニバスが見えます。

 この辺は地形的には、上矢部と領家の高台に挟まれた谷間のようなところです。この付近も住宅地になっており、住民のミニバスの利用があるところです。

   
 領家中学校付近です。

 横浜市立領家中学校は、画面の左側、道から少し奥に入ったところにあります。この付近も領家の高台で、天気のいい日は遠くに丹沢の山並みが見渡せます。この交差点(領家3丁目交差点)を正面向こう側へ行くと、弥生台の駅に出ます。弥生台方面も、瀟洒な新興住宅街が続いています。

 この付近では、上矢部循環は東戸塚駅〜弥生台駅間を走る2系統の神奈中バス(東22・東23系統)及び先ほどご紹介した戸79系統(戸塚バスセンター〜鳥が丘中央〜弥生台駅)と停留所を共用しています。また上矢部循環では、早朝、運行形態が変わる午後1時ごろと終バス直前の午後9時ごろに、領家中学校始発終着(戸91系統)、上矢部高校始発終着(戸92系統)の区間運転が数本あります。

 この先、バスは鳥が丘地区に再び入り、そのまま元来た道をたどって戸塚駅西口に戻ります。


路線の概要(2002年10月現在)

運転系統
 戸塚駅―鳥が丘中央―上矢部高校―領家中学校―戸塚駅(戸90系統、始発〜13時台)

 戸塚駅―鳥が丘中央―領家中学校─上矢部高校―戸塚駅(戸90系統、14時〜終発)

 戸塚駅─鳥が丘中央―上矢部高校―領家中学校(戸91系統)

 戸塚駅―鳥が丘中央―領家中学校─上矢部高校(戸92系統)

所要時間               全区間走行する戸90系統で、約22分
運転状況
 運転時刻については、かなちゅう 時刻表・運賃案内ページをご参照ください。
  乗車停留所を入力すると、そのバス停の時刻表を表示します。

(参考)

 平日 毎時約8〜30分毎  土曜休日 毎時約15〜30分毎      
  
 運 賃


        戸塚駅
      来迎寺 170
    上矢部高・領家中 170 190
  来迎寺 170 190 190
戸塚駅 170 190 190 190

運賃先払い方式。前扉から乗車、後ろ扉から降車。共通カード使用可能。
      

 担 当                 神奈川中央交通 戸塚営業所(上飯田車庫)
特記事項  

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