湘南二都物語 第2幕 ミニバスの走る街

第2部 藤沢駅北口〜藤が岡循環(神奈中バス)


藤が岡循環線は、
藤沢駅の東北側に位置する住宅・都市整備公団の藤沢団地、
及びその東側に広がる藤が岡住宅地の足として、1997年春に開業した路線です。

意外なようですが、神奈中としては、初めての都市型ミニバス路線です。

地域住民の要請により、藤沢市が神奈中との間の調整役を務めるなど、
利用者である地域住民の意向が反映された
「地域住民提案型」事業で、
地域に密着した路線として賑わっています。

公募でつけられた「湘南ロコ号」という愛称も軽やかに、
藤が岡の街並みを走りぬけます。

(2000.5.5.御幣公園の風景を追加展示。白桃色字の部分です。)
(2000.10.21.担当移管に伴う記述追加。紫字の部分です。)

 

 藤が岡循環線は、藤沢駅北口バスターミナル6番ポールから発車します。この車両は、日野リエッセという車種で、江ノ電で使っているこまわりくん型ミニバスより幅が一回り小さく、定員も40人となっています。
 従来の神奈中路線バスのイメージである黄色と赤というカラーをうち破るブルー主体の塗色は、湘南らしくさわやかです。ボディ横には、イメージキャラクターのアヒルの絵が描かれています。
 なお、藤沢地区では珍しくこの路線は運賃先払いですので、乗車時に運賃をお支払い下さい。

 運行系統は、大きく3系統に分かれています。メインは藤101系統で、平日の朝ラッシュ時以降終日と、土休日の全部がこの系統での運行です。あとは、藤101系統の路線を2分割した藤102系統(藤沢団地内のみ循環)、藤103系統(藤が岡住宅地内のみ循環)の2系統があり、朝ラッシュ時に数本が運行されています。
 藤101系統の所要時間は、一周約20分です。ただ土休日など、藤沢駅周辺の道路が混雑するときは、もうちょっと時間がかかってしまいます(藤沢郵便局前の交差点が渋滞する)。

   
 藤沢駅を出て最初の停留所名の由来となった、御所ヶ谷橋を渡る湘南ロコ号です。渡る川は境川です。

 バスの向こう側の丘の上が、藤沢団地です。団地の建物の一部が見えています。藤沢団地は位置的には藤沢駅から十数分で歩ける距離にありますが、丘の上という立地のため坂をずっと上らねばならず、その辺がバス路線開設の理由の一つと思われます。

※御所ヶ谷橋付近の風景については、こちらもご覧下さい!「RELHAMのホームページ、境川そぞろ歩き」

   

 坂を上りきったバスが、いよいよ藤沢団地内の環状コースに入ろうとしています。この藤が岡1丁目交差点を向かって右側に曲がると、すぐに藤が岡1号のバス停があります。逆の左側に曲がると、同じく藤が岡15号のバス停があります。バスは藤が岡地区を時計回りに走ります。

 藤沢団地は1964年に完成しましたが、建物の老朽化が進んでいるため、現在賃貸棟の改築計画が進んでいます。1999年5月に着工し、2004年秋に完成の予定です。賃貸棟に住んでらした方々は、既にほとんどが退去しているようです。
 余談ですが、藤沢団地下の御幣公園は桜の名所です。春は、満開の桜が見事です。

 2000年春、ソメイヨシノが満開の御幣公園の風景をお楽しみ下さい。
   
 6号と7号の間です。この藤が岡3丁目交差点で、藤102系統は右折して藤沢駅に戻ります。藤101系統はこのまま直進し、藤が岡の住宅地へと進んでいきます。また藤103系統はこの交差点から、環状コースに乗ります。環状部の走行距離は、藤が岡住宅地内のほうが若干長くなっています。朝ラッシュ時の運行本数も、102系統:103系統=1:2の割合になっています。

   

 8号と9号の間です。藤が岡住宅地内にある、柄沢公園からの映像です。向こう側は、大鋸の丘です。この辺は、このバス路線の中でも、視界が開けるビューポイントです。公園には、近所の人が犬の散歩などで訪れます。バスはこの先一部県道を通り、再び藤が岡住宅地内に戻ってきます。
 この県道には従来の神奈中バス路線、藤沢駅〜渡内〜大船駅線(船32系統)が通っています。ただしこの路線と、藤が岡循環線は共通の停留所を持たず、全く別個の扱いです。藤が岡循環線ができる以前は、藤が岡住宅地の人々はこの船32系統を主に利用していたようです(柄沢橋、藤が岡中学校前などが最寄りバス停です)。
   
 11号付近です。ちょうど、藤沢市立藤が岡中学校の正門前になります。このあたりは、高台の閑静な住宅地が続くエリアです。ちなみに、この藤が岡中学校も1999年度から校舎建て替えに入ります。

 なお、環状部のバス停は、大体100〜150メートル間隔で設置されており、非常に利用しやすくなっています。このあたり、地域住民提案型バス路線の面目躍如です。

   

 14号バス停です。この路線のバス停はご覧のように、普通のバス停とは違うかわいらしいものを使用しています。この路線に限らず、ミニバス路線の多くはこうした独自のバス停を用い、ミニバス路線だということがすぐにわかるようになっています。
   
 バスは藤沢駅に戻ってきました。この路線のウイークポイントは、前述のように藤沢駅周辺の道路が土休日の午後を中心に渋滞し、そのために遅れが出ることでしょう。国道467号線とルートが交わる藤沢郵便局前の交差点がネックですが、幸い渋滞区間を通る距離が短いため、大きな遅れにはつながらないようです。
 後日ご紹介する、藤が岡地区の隣接東側を走る藤沢駅南口〜渡内中央線(江ノ電バス)では、この渋滞区間を避ける巧みな経路設定で、定時性を確保しています。
 画面は、ネックの交差点を過ぎて藤沢駅に着く直前のバスです。後ろの大きなビルが、藤沢郵便局です。最近立て替えられ、立派なビルになりました。

 なお、土休日の午後、特に雨の日など、藤沢駅からの利用者が多すぎて1台のバスでは乗り切れないときもあるようですが、このようなときは、続行便を出して対処するそうです。この辺が、ミニバスの臨機応変さでしょうか。

路線の概要(1999年5月現在)

運転系統  藤沢駅―藤が岡1号―藤が岡10号―藤が岡14号―藤沢駅(藤101系統)

 藤沢駅―藤が岡1号―藤が岡6号(ショートカット)藤が岡14号―藤沢駅(藤102系統)

 藤沢駅(ショートカット)藤が岡7号―藤が岡10号―藤が岡14号―藤沢駅(藤103系統)

 ※区間運転なし

所要時間               全区間走行する藤101系統で、約20分
運転状況 平 日 始発(藤が岡15号)6:27 (藤沢駅)6:20(藤102)6:30(藤103)9:25(藤101)
     終発(藤が岡15号)22:53(藤101) (藤沢駅)22:40(藤101)
     8時台まで約10分毎、以降15分毎(12,13時台及び21時以降30分毎)

土休日 始発(藤が岡15号)6:51(藤101) (藤沢駅)6:40(藤101)
     終発(藤が岡15号)21:23(藤101) (藤沢駅)21:10(藤101)
     7時台まで30分毎、以降15分毎

 運 賃
      藤沢駅
    御所ヶ谷橋 170
  御所ヶ谷橋 170 180
藤沢駅 170 180 180

   運賃先払い方式。前扉から乗車、後ろ扉から降車。共通カード使用可能。           

 担 当

湘南神奈交バス 藤沢営業所(高山車庫)
※2000.6.16.神奈中藤沢営業所(高山車庫)より運行移管。

特記事項  

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