湘南二都物語 第1幕 江ノ電をめぐる情景特別編

  世田谷の青がえる、永遠に・・・

若林駅をあとにする、下高井戸行き150型

 

2001年2月10日、この日は、江ノ電の隣人・東急世田谷線にとって歴史的な日となることでしょう。

なぜなら、この日をもって世田谷線から、旧型電車が全てその姿を消してしまうからです。

2週間ほど前の1月27日、関東地方は大雪に見舞われた日ですが、
別項でご紹介している玉電塗色にリバイバルした80型が、この日引退しました。
そして最後に、唯一旧型電車として150型が2編成残されたのです。

150型は昭和39(1964)年東急車輛製、他の旧型電車と比べても、ひときわ新しい製造でした。
それゆえ、車内は木ではなくデコラ張りで、窓も一段下降窓となるなど、
旧型電車らしからぬいでたちといってもいい電車でした。

そんな150型で貴重だったのは、
何と言っても最後までモーターが旧型(つりかけ式、といいます)のままであったことでしょう。
走る時、独特の渋いうなりが響いていました。
昔の電車は、みんなこのうなりを響かせて走っていたものです。

他の旧型電車は、実は以前に全てモーターは新しいものに取り換えられていて、
音だけ聞いたのでは、新車と変わらなかったのでした。

世田谷線からこのうなり音が消えると、旧型モーターの電車は、
あとは江ノ電の一部の電車とかに、わずかに残るだけとなってしまいます。

もちろんそれだけではありません。
何度も繰り返し言及している、連結部でたたずむ旅情も、これが最後です。
この旅情はもうどこに行っても、味わうことはできません。
これが、本当に最後です。

ここでは、150型のラスト・ランの模様をお届けすることにしましょう。

世田谷の青がえる、永遠に・・・

三軒茶屋駅で発車を待つ、150型。
   
150型のステップ。このステップも、もう見納めです。

旧型車両全廃に伴い、世田谷線のホームは全駅嵩上げされ、
新しい電車は全てステップレス、つまり、普通の電車同様、ホームと電車の床が同じ高さになります。

・・・その昔、江ノ電も同じ道を歩みました。

   
若林付近を行く150型。
環七通りを渡る150型(左下)は、側面のステンレス板(コルゲート)が輝いていますね。
   
150型、4題。
車内風景は、80型と違い、近代的に感じます。
   
下高井戸駅にて。

青がえるの姿も、この低いホームも、見納めです・・・

ホーム へ戻る